九州王朝の領域 ―James Macさまの論考のご紹介―
九州王朝の領域
― James Macさまの論考のご紹介 ―
いつも信頼できる史料から抽出された確かなデータを基に手堅く論理を展開されるJames Macさまが、『隋書俀国伝』に「筑紫諸國」の総戸数約十万戸の領域を推定されました。
「九州」の居住可能面積(薩摩と大隅に相当する鹿児島県の居住可能面積を差し引いたもの)は、中国地方と四国とを加えたものにほぼ等しく、さらに近畿も加えると九州の面積の3倍程度となり、面積配分として『隋書俀国伝』の「約十万戸」は(少なくとも)近畿の一部がその領域に入っていたと考えるのが相当とされています。
「大隅」「薩摩」を除いているのは、『続日本紀』にいう「筑紫七国」とは「庚午年籍」を所持・逃走・反乱を起こした「隼人」の領域を除いた全九州と考えるからです。
庚午年籍と「平成十五年現在」の「居住可能面積」から求めてらっしゃいます。
「近畿の一部がその領域に入っていた」というのが魅力的な論証です。
古田史学徒とMe 古代史を古田氏の方法論を援用して解き明かす(かもしれない…)
「筑紫諸国」の『庚午年籍七百七十巻』と戸数
http://blog.goo.ne.jp/james_mac/e/669ed279f56064c57a7bbd925025608b
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山田さんへ
James Macさんのサイトの紹介,ありがとうございます。
私も大変魅力を感じました。
仮説実験授業の提唱者である板倉聖宣さんには『歴史の見方考え方』(仮説社)という著書があり,
「江戸時代の農民は何を多く食べていたか」(実は,米が多かった)という議論をされたのですが,
当初歴史学者の総反発をくらうのではないかと心配したものでした。
しかし,幸いそうならず今に至っています。これは,歴史研究を一歩進めたと思っています。
今回のJames Macさんの論証は,それの古代史版のように思え,期待しています。
もしかしたら『原子論的な〈古代史〉の見方考え方』という本につながるのではないかと思い,
「夢ブログ」でも紹介させていただくことにしました。
投稿: 肥さん | 2018年2月25日 (日) 06時58分
肥さんへ
コメントありがとうございます。
肥さんの「夢ブログ」でご紹介いただけるのはありがたいです。
魅力を感じた図書や論考をご紹介しても読者数がすくないので
読者数が多い「夢ブログ」でご紹介いただけるのはうれしいです。
これからも、肥さんのお眼鏡にかなったらご紹介ください。
よろしくお願いいたします。
投稿: 山田春廣 | 2018年2月25日 (日) 10時56分