薬師寺・東塔―世紀の大修理―
薬師寺・東塔
―世紀の大修理―[古代史][仏教]
私は以前、薬師寺「薬師寺東塔(裳階付三重塔)」の秘密― 「凍れる音楽」のリズム設計 ―というブログ記事において、白鳳文化研究会編著『薬師寺白鳳伽藍の謎を解く』(2008年5月30日、冨山房インターナショナル)13頁に掲載されている「薬師寺東塔復原正面図『薬師寺東塔に関する調査報告書』より」とある図の塔全高と各部を採寸してそれらの比を基に、裳階付三重塔の基本設計を推定しました。
その記事のなかで、推定した設計の規則性から外れている軒先を「下がっている」としましたが、この「平成大修理」の動画により「北東の屋根の軒先が14㎝下がっている」と判明し、それは「礎石が大きく沈み込んでいる」(第一弾4:44)のと「軒先が下がっていた箇所→木材が割れていた」(第一弾8:30)からだとわかりました。推定した設計規則は間違っていませんでした。
1300年前の職人の技術がいかに優れていたかを実感できる動画です。時間が有れば是非ご覧ください。なお、各弾にある投稿者コメント「※なお、東塔の落慶法要は新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期されています。」は省きました。
【密着】世界遺産・薬師寺 国宝・東塔大修理 第1弾 World Heritage Yakushiji Temple’s East Pagoda (Toto) Restoration
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読売テレビは2009年から行われた奈良の世界遺産・薬師寺の国宝・東塔(とうとう)
平成大修理に11年にわたって密着、その貴重な映像を5回にわたって公開します。
東塔は、1300年前に建てられた当時の姿を保っている、日本を代表する木造建築です。
大きな屋根と小さな屋根が重なる三重塔で、その絶妙なバランスが作り出す美しさが
愛されてきました。
第1弾は塔の解体で明らかになった1300年の歴史です。
瓦や壁、塔を形作る1万超の木材を1つ1つ取り外していくことで、
決して見ることができなかった塔の内部があらわになっていきます。
木材のひとつひとつには、塔を建てた古代日本の技術の素晴らしさ、それを守り伝えた
人々の努力が刻み込まれていました。
こうした木造建築の根本的な修理は、百数十年に一度といった頻度でしか行われません。
貴重な映像をじっくり御覧ください。
次回、第2弾は約1週間後にアップする予定です。
【密着】世界遺産・薬師寺 国宝・東塔大修理 第2弾 World Heritage Yakushiji Temple’s East Pagoda (Toto) Restoration
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読売テレビは2009年から行われた奈良の世界遺産・薬師寺の国宝・東塔(とうとう)
平成大修理に11年にわたって密着、その貴重な映像を5回にわたって公開します。
第2弾は塔の解体に伴って行われた科学的調査です。
今回の修理では、塔にどのような補強が必要なのか調べるため、
地震や風のシミュレーションが行われました。
実は、日本各地に残された木造の塔は、地震で倒れたという記録がありません。
なぜ塔が地震に強いのか…今回の調査で、塔の構造や、木材の組み合わせ方に
秘密があることが分かってきました。
地震にも、風にも負けず、1300年受け継がれてきた塔を作った
古代の知恵に最新の科学が迫っていきます。
どうぞ、ゆっくり御覧ください。
次回、第3弾は1週間後にアップする予定です。
【密着】世界遺産・薬師寺 国宝・東塔大修理 第3弾 World Heritage Yakushiji Temple’s East Pagoda (Toto) Restoration
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読売テレビは2009年から行われた奈良の世界遺産・薬師寺の国宝・東塔(とうとう)
平成大修理に11年にわたって密着、その貴重な映像を5回にわたって公開します。
第3弾は塔の初層(1階)から発見された幻の色彩をめぐる物語です。
初層の天井には「宝相華(ほうそうげ)」という美しい花が描かれています。
天井を解体した時、木材の下から、1300年前そのままの鮮やかな色彩が
見つかりました。画の上に偶然、木材がかぶさり、空気に触れなかったことで、
色が守られていたのでした。
そして、色彩を科学的に分析すると、南方にしか生息しない昆虫の体液から採取される
赤紫の色「臙脂(えんじ)」であることが分かったのです。
薬師寺を建てたのは、天武天皇と、その皇后で後を継いで女帝となった持統天皇です。
二人は、日本を国際的に通用する律令国家にしたいと、さまざまな改革を行いました。
東塔が今に伝える天皇夫妻の思いをゆっくりと御覧ください。
次回、第4弾も1週間後にアップする予定です。
【密着】世界遺産・薬師寺 国宝・東塔大修理 第4弾 World Heritage Yakushiji Temple’s East Pagoda (Toto) Restoration
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読売テレビは2009年から行われた奈良の世界遺産・薬師寺の国宝・東塔(とうとう)
平成大修理に11年にわたって密着、その貴重な映像を5回にわたって公開します。
第4弾は薬師寺が歩んできた復興の道のりと、今に伝える祈りの姿を追います。
薬師寺は度重なる災害や戦乱で、その多くの建物が失われ、1300年前から伝わるのは
国宝・東塔だけでした。
昭和の名僧と称えられた高田好胤管長がお写経勧進を始め、昭和に金堂と西塔が、
平成に大講堂と食堂(じきどう)が再建され、今では当初の姿をほぼ取り戻しています。
毎年春に行われる花会式(はなえしき)や、法相宗(ほっそうしゅう)の僧侶として
一人前になるための試験・竪義(りゅうぎ)の貴重な映像を通じて
変わらぬ祈りの姿をゆっくりと御覧ください。
次回、第5弾が最終回です。1週間後にアップする予定です。
【密着】世界遺産・薬師寺 国宝・東塔大修理 第5弾 World Heritage Yakushiji Temple’s East Pagoda (Toto) Restoration
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読売テレビは2009年から行われた奈良の世界遺産・薬師寺の国宝・東塔(とうとう)
平成大修理に11年にわたって密着、その貴重な映像を5回にわたって公開しています。
第5弾が最終回です。ついに、東塔の塔本体の修理が完成します。
1万超の木材を厳密に調整しながら全体のバランスが美しく、
より強くなるように組み立てていきます。
また、瓦や壁、そして天人が透かし彫りにされた
薬師寺のシンボル「水煙(すいえん)」がそれぞれの職人の手によって新しくなりました。
生まれ変わった塔はどんな姿をしているのか…御覧ください。
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