作業日記

2018年10月29日 (月)

本日(21081029)の作業

本日(21081029)の作業

『宋書』の「元嘉曆法」の日本語訳[作業日記]

 

 元嘉暦の「暦書」(『宋書』卷十三 志第三 律曆下 元嘉曆法)を日本語に翻訳する作業にかかった。「暦書」通りに計算していなかった部分があったからだ。それと、「漢文が読めれば」と言ったが、『宋書』を実際にすらすらと読める人がそう多くはいないと思うし、ましてや「暦法」特有の言葉がでてくるのだから、「容易」とは言えないと思ったからである。

 予想した通り、自分自身が読み直してみると、以前に作ったWS(ワークシートの略)を参照してみないと何のことなのかわからなくなっている部分が多くあった。

 やはり「明日の自分は他人」だったのである。そんなこともあって、日本語に翻訳する作業にかかった、というわけなのだ。

 こればっかりやっているわけにはいかないので、いつこの翻訳作業が完了するかわからないが、蝕計算を含んだEXCEL版元嘉暦を配布するときには、日本語私訳「元嘉暦法」をともに配布しようと考えている。そうしないと蝕計算の算式が理解できないだろうから。

2018年9月29日 (土)

閲覧回数の都道府県ランキング

閲覧回数の都道府県ランキング

今年の3/4四半期での中途報告

 年末にはまだ間がありますが、当ブログ(sanmao徒然草)への全体アクセス数に対する都道府県別のアクセス数割合のランキング(1月1日~9月29日までの分)を報告いたします。0.0%とあっても閲覧が無かったということではありません(小数点第2位は四捨五入されています)。

 

【閲覧回数上位都道府県ランキング】

(1位) 埼玉県  24.1%

(2位) 大阪府  12.6%

(3位) 宮崎県  6.3%

(4位) 東京都  5.3%

(5位) 福岡県  4.2%

(6位) 京都府  3.9%

(7位) 愛知県  2.6%

(8位) 神奈川県 1.5%

(9位) 三重県  1.1%

(9位) 兵庫県  1.1%

(9位) 高知県  1.1%

12位)山口県  1.0%

ベスト10に入る可能性があった12位の山口県をランキングに入れてあります。

なお、千葉県は、私が記事の掲載やコメント書き込みなど多数なので除外しています。千葉県の閲覧者の皆さん、ごめんなさい。

 ランキングに入っていなくてもご閲覧くださっている皆様に感謝したします。また、特に一都二府・首都圏と比して人口が多くはないのに第3位となっている宮崎県の皆さま、熱心なご閲覧ありがとうございます。

 

【都道府県別 閲覧回数割合】

都道府県 割合

北海道  0.7%

青森県  0.3%

岩手県  0.0%

宮城県  0.2%

秋田県  0.1%

山形県  0.1%

福島県  0.1%

茨城県  0.1%

栃木県  0.1%

群馬県  0.2%

埼玉県  24.1%(1位)

千葉県  28.7%……私のアクセスが多数なので除外します。

東京都  5.3%(4位)

神奈川県 1.5%(8位)

新潟県  0.2%

富山県  0.1%

石川県  0.3%

福井県  0.1%

山梨県  0.1%

長野県  0.3%

岐阜県  0.1%

静岡県  0.3%

愛知県  2.6%(7位)

三重県  1.1%(9位)

滋賀県  0.3%

京都府  3.9%(6位)

大阪府  12.6%(2位)

兵庫県  1.1%(9位)

奈良県  0.5%

和歌山県 0.3%

鳥取県  0.1%

島根県  0.1%

岡山県  0.1%

広島県  0.3%

山口県  1.0%12位)

徳島県  0.2%

香川県  0.2%

愛媛県  0.1%

高知県  1.1%(9位)

福岡県  4.2%(5位)

佐賀県  0.1%

長崎県  0.2%

熊本県  0.2%

大分県  0.2%

宮崎県  6.3%(3位)

鹿児島県 0.2%

沖縄県  0.1%

2018年8月 2日 (木)

“私の書斎”の掲示板

“私の書斎”の掲示板

出版記念講演会のチラシ[作業日記]

 

昨日(八月一日)、普段書斎代わりに使わせていただいているファストフード店に、出版記念講演会のチラシの掲示を一ヶ月間お願いしたところ、快諾してくださった。いつもパソコンの電源と冷暖房の効いた環境を提供してもらって感謝している。店員の皆さん、ありがとう。
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2018年7月18日 (水)

講演会準備(7月18日)

講演会準備(7月18)

作画のない準備作業[作業日記]

 

 「馳道」の想像図が終ったので「直道」から始めた。やっと「軍用道路」の話になる。つまりこれまでは「軍用道路」の話はしていなかった。ところが、いざ「軍用道路」の話になると図が登場しない。道路の図版をいれたところで「軍用」が描かれたわけではないから。勢い「語り」になってしまう。「騙り」にならないか心配だ。()☚肥さんならこう書くだろう

 まずは、「直道」の説明
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始皇帝の軍用道路「直道」

 蝦夷の領域を手中にするため東北地方はフロンティアになっている。つまり最前線である。最前線はいつ戦いが起きてもおかしくない。こういう場所を普通の農民が耕作するわけがない。常時兵士を置いておかないと取り返される領域だ。兵士も食べなくてはならない。他から調達しつづければ何のために土地を手に入れたかわからない。三国時代の話だが実り豊かな土地なら一人が一年間耕作すると百石(ひゃくせき)の穀物収穫高だという。これは二十ヶ月分の食糧に相当するという。つまり八ヶ月分の余剰生産物が得られるのだ。だから「屯田」(兵士が耕作する)から年間収穫高の40%が備蓄できることになる。これなら土地を手に入れれば入れただけ富を増やすことができる。

 なお、先の「馳道」のブログ記事で張良(子房)が雇った暗殺者が120斤の鉄槌を投げたと書いたが、これが重量の単位「一石(いっせき)である。「鈞四謂之石」(『孔叢子』)、「四鈞為一石」(『淮南子』)とあり、一鈞=30斤なので一石=120斤、つまり張良(子房)が雇った暗殺者が投げた鉄槌の重量は一石だった。もし、漢代の「斤」と張良の時代の「斤」が同じであれば一斤≒258gなので一石=30960g≒31㎏、すなわち、張良(子房)が雇った暗殺者蒼海公の投げた鉄槌は31㎏だったことになる。

 なお、容積の単位「一石(いっこく)は、寛文九年(1669)の新京枡一升(0.49尺×0.49尺×0.27尺=0.064827立方尺=1.8039リットル)の100倍なので、一石=6.4827立方尺≒180.39リットルです。船の積載量の一石は、10立方尺≒278リットルとしています。

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フロンティアの東漸と屯田・邸閣・官道

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屯田制の起源

戦争の及ぼす影響の深さがわかります
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長期にわたる戦争と人口激減

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屯田制のまとめ

こんな説明()を書いているWikipedia編集者の顔が見たい
Wikipedia
従来説1(
Wikipedia) では「道」は説明不能

正しい説明はこうだ
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「道(従来説1
)」を「軍管区」で説明

↓これが「貞観十道」・「開元十五道」の説明なのか?
Wikipedia_2
従来説2(
Wikipedia) では「道」は説明不能

正しい説明はこうだ
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「道(従来説2
)」を 「軍管区」説で説明

 

Wikipedia編集者に物申す。わからない場合は説明を書かないか、「わからない」と書くべきではないか?

今日はこれくらいでWikipediaを許してあげよう。

2018年7月14日 (土)

講演会準備(7月14日)

講演会準備(714日)

PowerPoint画面続々[作業日記]

 

作り出すと面白くなるのがPowerPointだ。PowerPointにおさまりが良いように図などは修正する必要がある(横長がいい)。いくつか作ったなかからご覧いただこう。決定したものではなく、単なる試作品だ。
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「五畿七道」のまとめ

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南海道の付け替え図も手を入れた

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話す内容を事前告知

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そのまとめ

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冒頭画面も補完論文を加えて見直した

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西海道の図も入れてみた

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南海道は台湾島を目指す

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正方位白地図で東海道

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九州王朝説の古代官道研究の指針(ガイドライン)

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官道と山城も大きめに

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「東山道十五國」初期比定図も新しく

Powerpoint
「十五国」でもこのようなものも

2018年7月11日 (水)

講演会準備(7月11日)

講演会準備(711日)

PowerPointは便利[作業日記]

 

 講演会のスライドショーを直前に作成するのは不安だったので、PowerPointを使ってみた。

Visioは使い慣れているがPowerPointでプレゼンを作成するのは初めての経験だからだ(ISO監査だって、システム図は書きますが、プレゼンするということはないのです)

 縦長の日本列島地図が横長画面では小さくなるのが心配だった(Wordの横ではかなり縮小しないと収まらなかったから)。ところがPowerPointはおりこうさんで、画面(縦方向)いっぱいまで自動的に収めてくれる。これがわかっただけで一安心だ。十画面ほど作ってみて作成する自信ができた。あとは、時間配分通りの説明に仕立てるだけだ。

 PowerPoint画面を作ってみると、文章だけのときより、より詳しく説明すべきことや省いてよいことが見えてくるから不思議だ。切り替え画像がもたらすイメージは、文章とはまた異なるものがあることもわかってきた。他人のPowerPointでのプレゼンは飽きるくらい見ているのだが、自身でプレゼンを作るのは見るのとは違った楽しさがあることもわかった。画面が切り替わるというのはブログ記事とは違った面白さがある。なんというか、例えば映画をつくる疑似体験というような感じだろうか。ストーリーを映像化していくという感じが同じように思えるのだ。スライドショーも映画と同じで、脚本が面白くないとおもしろい映画にはならないだろうから、ストーリーはよく練る必要がある。最初から満足するものはできないだろうから、作っては見直すという繰り返しが大切だと思う。早めに取り組むことが大事だ。ともかく、早めにPowerPointを触ってみたのは正解だった

作った画面のスクリーンショットをいくつかご覧いただこう(全部ではネタバレです)
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私の講演冒頭 画面

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国名入「令制五畿七道図」 画面

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蝦夷の領域 画面

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『延喜式』による勅旨牧の数 画面

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「五畿七道の謎」冒頭 画面

2018年7月10日 (火)

見直した出版記念講演細目

見直した出版記念講演細目

見直した講演細目と時間配分[作業日記]

 

太宰府を防衛するための土塁、山城(朝鮮式と神籠石系)、官道の三者関係(つまり「太宰府の防衛体系」)を盛り込んだ講演内容と時間配分を次のように策定しました。配布チラシは変更対象ではありません。あくまでも講演細目の見直しです。

『発見された倭京太宰府都城と官道』出版記念講演会
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配布チラシ

第二特集「九州王朝の古代官道」13201440

「古代日本ハイウェーは,九州王朝が作った軍用道路か?」(肥沼、13201345

上記の講演内容は肥沼さんにお任せしている。

 

「全ての官道は太宰府に通ず」(山田、13451440

令制日本国の「五畿七道」……10分13451355

・令制「七道」(どの国が「何道」に属しているか)

・蝦夷の領域

・東山道はどんな役割をもっていた官道か

・騎馬と牧場(まきば)と東山道

・従来説では景行紀「東山道十五國」は説明不能

西村論文「五畿七道の謎」の解説……10分13551405

・北海道が欠けた令制「五畿七道」

・倭王武の上表文「渡平海北九十五國」が示すもの

・太宰府から四方に向かう海の官道

・九州王朝説の古代官道研究の指針

(太宰府を起点として全国に張り巡らされた官道)

「~道」は軍管区、官道と都督……10分14051415

・「秦の始皇帝」の「馳道」と「直道」

・官道とフロンティアの東漸・屯田・屯倉

・従来説では「(~)道」は説明不能

・「~道」は軍管区

・都督は「軍管区」の最高指揮官

・「使持節・都督・諸軍事」三点セットの理由

・「将軍」号が大盤振る舞いされる理由

「東山道十五國」の比定とネットスタディ……2014151435

・西村論文「五畿七道の謎」が解いた謎

・論証された「九州王朝の東山道十五國」

・『日本書紀』天武紀にみる「軍管区」

・肥沼さんの指摘「摂津国と山背国の接続が狭い」

・調べたら「摂津国」は当時「凡川内国」だった(比定の訂正)

・「九州王朝の北陸道」へ古賀さんからの疑問

1「他が海道・山道なのになぜここだけ北陸道と命名したのか?」

2「筑前から東山道(長門)を飛び越えて山陰ルートに向かうがやや不自然では」

・肥沼さんから別比定(東山道は周防から、北陸道が長門から)の提示

・官道と二つの関(東山道の関門海峡、東海道の豊予海峡)

前畑遺跡の土塁…太宰府都城と羅城、太宰府都城の年代観―近年の研究成果と九州王朝説―(古賀達也さん)より

・山城と版築土塁(防)と官道…倭国の城塞都市「太宰府」(正木裕さん)より

(太宰府の防衛体系:大野城・基肄城と「防(防衛土塁)」と官道、「防人」)

古賀疑問への回答…新仮説「九州王朝の東山道と四海道」(陸路と海路)〔項目名変更〕

・ブログ読者がその時代を「豊国分国後、吉備・凡川内国分国前」)と明確化

質疑応答……5分(講演に費やされて短縮される可能性あり。)(14351440

 

以上55分。これを基準に講演原稿を調整します。

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【主な変更点】

西村論文「五畿七道の謎」の解説から次の項目を削除し、時間が余れば質問時間に割り当てる

・遣唐使船の航路と難破(時間が押している場合は割愛します)

「東山道十五國」の比定とネットスタディに次の二項目朱字下線部分)を追加し、時間を5分追加割り当てした。

前畑遺跡の土塁…太宰府都城と羅城、太宰府都城の年代観―近年の研究成果と九州王朝説―(古賀達也さん)より

山城と版築土塁(防)と官道…倭国の城塞都市「太宰府」(正木裕さん)より

(太宰府の防衛体系:大野城・基肄城と「防(防衛土塁)」と官道、「防人」)

次の項目名を変更した。

<旧項目名>

・新仮説「九州王朝の東山道と四海道」(海峡国家でなくなった時代)

(石見国スタートの「北陸道」は海路で、その名は「北海道」だった)

<新項目名>この仮説は「古賀疑問」がきっかけであることを明確にした(迅速なネットスタディ)

・古賀疑問への回答…新仮説「九州王朝の東山道と四海道」(陸路と海路)

 

【変更理由】

講演内容が官道に偏っていたので、近畿地方にはない広大な区域を囲っている防衛土塁と山城で守られている都「太宰府」の特異性を明確にして、第二十一集の特集『発見された倭京――太宰府都城と官道』にかなう講演内容にするため。

……………………………………………………………………………………………………………………………………………

2018年7月 5日 (木)

『アマテラスの変貌』を注文した

本日、『アマテラスの変貌』を注文した。古代から神仏習合だったことを確信するためである。
はたして、それはわたしの思い込みだったのだろうか。本の到着がたのしみだ。

2018年7月 4日 (水)

出版記念講演会作業日記(2)

出版記念講演会作業日記(2)

太宰府都城研究も講演内容に入れたい[作業日記]

 

 7月2日に、前日の作業として『発見された倭京――太宰府都城と官道』の出版記念講演会の講演内容と時間配分をした記事を掲載したのですが、客観的に眺めてみると、「太宰府都城と官道」との題なのに、肥沼さんと私による講演内容が「官道」だけの説明になっていることに気づきました。第一特集「九州王朝説による太宰府都城の研究」も紹介すべきだと感じました。

 そこで、筑紫野市の前畑遺跡で発見された「土塁」を糸口に、太宰府を防衛するための土塁山城(朝鮮式と神籠石系)、官道の三者関係(つまり「太宰府の防衛体系」)を、次の論文を参考にして講演内容に盛り込むのがよいと考えました。造営年代は「白村江の戦い」以前として説明を省くことにします。造営年代について詳しく知りたい方は図書をご覧ください。造営年代に関しては、朝鮮式山城「大野城」は太宰府と一体(ワンセット)であり重要ですので、服部静尚さんの「太宰府大野城の瓦」にご注目いただきたいと思います。

 以上から、先に掲げた講演内容と時間配分は再考することにいたしました。

 

【参考にする羅城・山城に関する掲載論文】

太宰府都城と羅城(古賀達也さん)

(前畑遺跡の土塁に関する史料にない教育委員会の説明及び質問に答えた部分「土塁の西側(内側)のテラス上になった部分は兵士が移動する道路として使用されていた。烽火がうまくいかなかった場合兵士がこの道路を走って連絡に行ったと思われる。」。)

 

私の見解筑紫野市教育委員会の説明は稚拙です。これは城壁としては当然の機能です。敵がどこを突破して来るかわからないのですから、烽火がうまくいこうがいくまいが、城壁上を兵士が移動できなければその城壁は無意味です。後の世に「万里の長城」と呼ばれる城壁も、当初は単に「」と言われる上が道路といえる広さのある土塁でした。「守るための土塁」を「防」と言います。「防衛」という言葉の本来の意味は「防によって衛ること」なのです。

 

《天智天皇三年(六六四)》是歳、於對馬嶋・壹岐嶋・筑紫國等、。又於筑紫、築大堤貯水。名曰水城。

 

これを国文学は「防(さきもり)と烽(すすみ)をく」としているが、「防」は土塁で「烽」は烽火台で、それらを設置したと考えるべきです。「大堤」というのも「大堤」です。「防」も「防人」もどちらも「さきもり」と訓じて同じだとする漢文解釈は間違いです。なお、「是歳」条なので(「是歳」条は年次移動の疑いが強い)天智天皇三年(六六四)というのは疑ってかかるべきです。妄想をいえば、「防人」とは九州の「防」に配される兵士のことだとすれば、近畿地方には「防」がないから「防人」がないのです。

 

 

倭国の城塞都市「太宰府」(正木裕さん)

(佐賀県の「高速道路用版築土塁」の「中央路」及び「道路様土塁」という表現。

 

 

太宰府都城の年代観―近年の研究成果と九州王朝説―(古賀達也さん)

(参考にするのは築造時期ではなく、紹介された井上信正論文「羅城ではなく関に連なる遮断城」説を取り上げるため。井上説の論拠は、「羅城」とは「都城外郭」のことであり、それよりも広大な区域を囲繞しているのだから「羅城」ではないというもの。)

 

私の見解「官道を遮断する場所」が「関」ですから、官道が「防」を過(よぎ)る箇所を「関」と呼ぶこともできますが、「防」を「関に連なる遮断城」というのは“主客を転倒させた言い方”です。巨大な環状施設「防」を「官道」が過(よぎ)っているのです。別のいい方をすれば、この巨大な環状施設「防」によって「関」を造り出しているのです(「防」がなければ官道を遮断しても太宰府に侵入される)。だから「主客転倒」なのです。妄想をいえば、王宮所在地(畿)のさらに外側の区域を囲って「畿内」というのであれば、行政府都城「太宰府」の外側を囲う「防」の内側は「府内」ではなかったか。

 

 古代官道との関りに限られますが、第一特集「九州王朝説による太宰府都城の研究」の論文の講演内容への盛り方とその時間配分の再考作業に入ることにします。第一特集と第二特集は極めて密接な関係があると再認識しました(☚「いまごろ何を」という読者の声が聞こえます)

 また、これら参考論文に関する質問があれば、古賀さん・正木さんにご回答をお願いしたいと考えています。

 

 講演内容と時間配分の再考が終りましたら、また記事として掲載いたします。

2018年7月 2日 (月)

『発見された倭京』出版記念講演会

出版記念講演会の準備作業

講演内容と時間配分[作業日記]

 昨日(7/1)は講演準備作業として、講演原稿の内容量を調整するため、時間配分を想定してみた。この時間配分に合わせて講演内容を圧縮していくことにした。太宰府の防衛システムをどこにどの程度入れるか、その取捨選択も頭を悩ますところだ。

『発見された倭京――太宰府都城と官道』出版記念講演会

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第二特集「九州王朝の古代官道」
13201440

「古代日本ハイウェーは,九州王朝が作った軍用道路か?」(肥沼、13201345
上記の講演内容は肥沼さんにお任せしている。

 

「全ての官道は太宰府に通ず」(山田、13451440

令制日本国の「五畿七道」……10分

・令制「七道」(どの国が「何道」に属しているか)

・蝦夷の領域

・東山道はどんな役割をもっていた官道か

・騎馬と牧場(まきば)と東山道

・従来説では景行紀「東山道十五國」は説明不能

西村論文「五畿七道の謎」の解説……10分

・北海道が欠けた令制「五畿七道」

・倭王武の上表文「渡平海北九十五國」が示すもの

・太宰府から四方に向かう海の官道

・遣唐使船の航路と難破(時間が押している場合は割愛します)

・九州王朝説の古代官道研究の指針

(太宰府を起点として全国に張り巡らされた官道)

「~道」は軍管区、官道と都督……10分

・「秦の始皇帝」の「馳道」と「直道」

・官道とフロンティアの東漸・屯田・屯倉(JamesMac説に依拠)

・従来説では「(~)道」は説明不能(Wikipedia説を例にとり)

・「~道」は軍管区(これで従来説の説明不能が説明できる)

・都督は「軍管区」の最高指揮官

・「使持節・都督・諸軍事」三点セットの理由(その機能を説明)

・「将軍」号が大盤振る舞いされる理由(冊封体制との関係)

「東山道十五國」の比定とネットスタディ……15分

・西村論文「五畿七道の謎」が解いた謎(仮説の働き)

・論証された「九州王朝の東山道十五國」(論証の役割)

・『日本書紀』天武紀にみる「軍管区」(実証の一例)

・肥沼さんの指摘「摂津国と山城国(山背国)の接続が狭い」(検証の役割)

・調べたら「摂津国」は当時「凡川内国」だった(検証の効果)

・「九州王朝の北陸道」へ古賀さんからの疑問(新たな問題提起)

1「他が海道・山道なのになぜここだけ北陸道と命名したのか?」

2「筑前から東山道(長門)を飛び越えて山陰ルートに向かうがやや不自然では」

・肥沼対案の登場(東山道は周防から、北陸道が長門から)

・官道と二つの関(関門海峡、豊予海峡)(肥沼対案の効果)

・新仮説「九州王朝の東山道と四海道」

(石見国スタートの「北陸道」は海路で、その名は「北海道」だった)

・ネットスタディによる新たな可能性について

(ブログ読者がその時代を明確化「豊国分国後、吉備・凡川内国分国前」)

質疑応答(第二特集に限定)……10分(時間調整に費やされて短縮されることがある。)

 

以上55分。これを基準に講演原稿を調整する(切り詰める)ことにします。

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