2023年5月14日 (日)

干支に番号を振る―『長慶宣明暦』では―

干支に番号を振る
『長慶宣明暦』では[]

 これは「暦」というよりも、「算数」に関することがらなので、カテゴリーは「雑」としました。

 何の話かというと、六十干支の各干支に番号を振る場合、甲子から始まるから甲子の番号を1とするのが良いかどうか、という話です。

 コンピュータ処理には甲子0~癸亥59と振る方が便利なので、私のExcel版「元嘉暦」も甲子の番号を0としています。

 コンピュータを使わなくても計算するには0~59と振る方が良いと考えた人は昔からいるようで、唐の徐昻という人が編纂して、わが国にも伝わって貞観四年(862)~貞享元年(1684)823年間行用された「長慶宣明暦」も甲子を0として計算していました。安藤有益著『長慶宣明暦算法』には「甲子」の上に付された番号が「空」(0)となっています。

国文学研究資料館の『長慶宣明暦算法』
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 徐昻の『長慶宣明暦』そのものが甲子を「空」としていたことも確認できました。
京都大学貴重資料デジタルアーカイブの『長慶宣明暦』
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2022年1月31日 (月)

ポアンカレ氏の名言―「ゆる言語学ラジオ」から―

ポアンカレ氏の名言
―「ゆる言語学ラジオ」から[] 

 私の好きなYouTubeチャンネルの一つに「ゆる言語学ラジオ」という「言語学の面白さを“ゆるく”伝えるラジオ」というのがあります。大学で言語学をやっていた水野太貴さん(大手出版社の編集者)と堀元見さん(Youtuber・クリエイター、(『教養悪口本』光文社、202112月、245頁。ISBN 978-4334952822))のトーク・コンテンツです(「ラジオ」なのはポッドキャスト上でも展開しているためです。おすすめです。初回から見たい方は、「イルカも喋る」は大ウソ【言語学って何?】#1からどうぞ)。

 その「ゆる言語学ラジオ」の「た」を巡る物語、最終話。【た6】#94で、「ポアンカレ予想」〔注1〕で有名な数学者アンリ・ポアンカレ〔注2〕の名言が紹介されていました(ゆる言語ラジオ#9432:48から)。

数学的結果が正しいことは直観的に分かることがある。後で証明するのに何時間もかかる。 

 上記の出典は探せませんでしたが、「証明は論理によってなされるが、発見は直観によってなされる。」(『科学と方法』)はありました。
直観(ちょっかん、英語: Intuition)とは、知識の持ち主が熟知している知の領域で持つ、推論、類推など論理操作を差し挾まない直接的かつ即時的な認識の形式である。Wikipedia「直観」より) 論理学で「直観主義」というのはブラウワーの「直観主義論理」を指し、「排中律(AであるかAでないかのどちらかが成り立つ(「A∨¬A」は真)」を認めない論理(つまり二重否定「¬(¬A)→A」は認めない)です。通常の論証に用いるには小さすぎます。
 一方、「直感」は理性を働かすというより、感覚的に直(ただち)にとらえること(感覚によって物事をとらえること)。

 直観的に分かっても、それを証明するのは別の困難があるのは確かです。また、ある程度の(というか、突き詰めた)論理の上にしか「ひらめき」は生まれない(エジソン「99%の努力と1%のひらめき」)のも事実です。左脳と右脳は別々に働いているように見えますが、やはり「脳」として一体で働いているのではないでしょうか。 

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注1 「ポアンカレ予想」……
下記引用文の下線部分(山田による)が「ポアンカレ予想」です。100年もの間、証明できませんでしたが、2006年にサンクト・ペテルスブルグ出身のロシアの数学者グレゴリー・ヤコビッチ・ペレルマンが微分幾何学と物理学のアプローチによって証明しました(微分同相)。なので、現在は「『ポアンカレ予想』という名の『定理』」になっています。
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 数学の位相幾何学(トポロジー)における定理の一つである。3次元球面の特徴づけを与えるものであり、定理の主張は 単連結な3次元閉多様体は3次元球面 S3 に同相である というものである[2][3]。Wikipedia「ポアンカレ予想」より)
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 私は数学も素人なのですが、素人なりの説明をしておきます(厳密には間違っているかも知れません)
単連結な(空間)」というのは、任意のループを連続的に1点に収縮できるような弧状連結(空間)のことです。「ループ」というのは「始点と終点が一致するもの」です。
空間」(n-空間、n次元空間)というのは、「順序があるn個の実数の組」を「点」と呼べば、全ての点の集合のことです。「順序がある」という意味は、例えばn=2(2次元)の場合なら、(xy)と(yx)は異なる点とします。すなわち、x∈R(xは実数)として、点( x1, x2, x3, x4,……, x)と表せる全ての点の集合が「n-空間(n次元空間)」です。
3次元ユークリッド空間」とは、3次元空間(x∈R(実数)として点( x1, x2, x3)と表せる全ての点の集合)に対して、原点O(0, 0, 0)点P(x1, x2, x3)との距離dを、「d=√((x1)+(x2)+(x3))」と定義した空間です(「空間に対して幾何学が成り立つように距離を定義する」ことを「(空間の)幾何化」といいます)。「ユークリッド平面(2次元ユークリッド空間)」の距離の定義は、d=√((x1)+(x2))…「三平方の定理」です。距離をこのように定義すると「三角形の内角の和が180度」になります。
3次元閉多様体」とは、「境界を持たない、有限な、局所的に(極(ごく)狭い範囲で)はユークリッド空間とみなせるような図形や空間」のことです。
3次元球面 S3」とは、「三次元空間」において、距離の定義をd=√((x1)+(x2)+(x3)))として、原点O(0, 0, 0)から等距離にある点の集合が「球面(二次元)」となるように、「四次元空間」において、距離の定義をd=√((x1)+(x2)+(x3))+(x4))…「“五平方”の定理」()として、原点O(0, 0, 0, 0)から等距離にある点全体の集合(「3次元球面S3」)のことです。
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数学における三次元球面(さんじげんきゅうめん、英: 3-sphere; 3-球面)、三次元超球面(さんじげんちょうきゅうめん)あるいはグローム (英: glome[1]) [注釈 1]は、通常の球面の高次元版である超球面の特別の場合である。四次元ユークリッド空間内の三次元球面は、固定された一点を「中心」として等距離にある点全体の成す点集合として定義することができる。通常の球面(つまり、二次元球面)が三次元の立体である球体の境界を成すのと同様、三次元球面は四次元の立体である四次元球体の境界となる三次元の幾何学的対象である。三次元球面は、三次元多様体の一つの例を与える。Wikipedia三次元球面より)
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 n-空間(n次元空間)がどうなっているかを思い浮かべる必要はありません。私たちは、3次元を超えた空間を思い浮かべることはできませんので、単に次数(つまり組になる実数の個数)が多くなるだけと割り切っておくのが賢明です。無理に思い浮かべようとすれば頭が痛くなるだけでしょう(笑))。
同相である」というのは、二つの「位相空間」が「位相空間として等しい」ということです。 
 誤解を恐れず言えば、「ポアンカレ予想」とは「ある空間が、どのような(「任意の」)ルートをたどって移動しても、その通り道に紐を通してきたとすればその紐の始点と終点を結んで(「ループ」)その紐の「輪っか」を一点に手繰り寄せることができる(「単連結の3次元閉多様体」)なら、その位相(空間)は「球面の3次元版」(「3次元球面 S3」)の位相(空間)に等しい(「同相である」)」というものです。
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注2 アンリ・ポアンカレ …… 
ジュール=アンリ・ポアンカレ(Jules-Henri Poincaré、フランス語: [ɑ̃ʁi pwɛ̃kaʁe] ( 音声ファイル)、1854年4月29日 – 1912年7月17日)は、フランスの数学者、理論物理学者、科学哲学者。数学、数理物理学、天体力学などの分野で重要な基本原理を確立し、多大な功績を残した。フランス第三共和制大統領・レーモン・ポアンカレは従兄弟。ナンシー生まれ。Wikipedia「アンリ・ポアンカレ」より)
 ポアンカレ氏の著作の『科学と仮説』・『科学と方法』から得た考えは次のブログで述べています。
多元的「国分寺」研究サークルの取り組みと「科学としての史学」について20161017()
古田学派の二潮流(その1)- 実証重視派の行方 ー201742()
古田学派の二潮流(その2)― 仮説重視派の行方 ―201742()

2022年1月27日 (木)

時刻と十二支―脱線:白鳳大地震―

時刻と十二支
―脱線:白鳳大地震[][古代史]
【訂正のお知らせ(2022/02/05)
 記事末の図「時刻を十二支で表す 」の下にある「筑紫大地震」は「白鳳大地震」(天武13年)の書き間違いでしたので訂正いたしました。【訂正のお知らせ 終わり】

 方角を表す干支―脱線 B-2― (正しくは「干支」ではなく「十二支」でした)で、方角を方位以外に「十二支で表す」仕方と「時計(文字盤の短針位置)で表す」仕方を説明しましたが、今回は「時刻を十二支で表す」仕方を説明します。

 「丑の刻参り」というのをご存じでしょう。夜中に人に見られぬように「五寸釘」(曲尺1尺が10/33mなのでその5/10は約15.2cm)で神社の木に「藁人形」を打ち込んで、人を呪うという儀式です(下記はWikipedia「丑の刻参り」より抜粋)。
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丑の刻参り(うしのこくまいり)、丑の時参り(うしのときまいり)とは、丑の刻(午前1時から午前3時ごろ)に神社の御神木に憎い相手に見立てた藁人形を釘で打ち込むという、日本に古来伝わる呪いの一種。典型では、嫉妬心にさいなむ女性が、白衣に扮し、灯したロウソクを突き立てた鉄輪を頭にかぶった姿で行うものである。連夜この詣でをおこない、七日目で満願となって呪う相手が死ぬが、行為を他人に見られると効力が失せると信じられた[1][2]。ゆかりの場所としては京都市の貴船神社が有名[3]。ただ、貴船神社は24時間開門していないため実際には着手不可能である。
丑の時詣で(うしのときもうで)、丑参り(うしまいり)、丑三参り(うしみつまいり)とも[2][4]。
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 「貴船神社は24時間開門していないため実際には着手不可能である」で、不覚にも笑ってしまった。やるな、Wikipedia(笑)。

 ちなみに、貴船神社の祭神高龗神(たかおかみのかみ)は、『古事記』及び『日本書紀』では、伊邪那岐神が迦具土神を斬り殺した際に生まれた神で、一書では剣の柄に溜った血から闇御津羽神(くらみつはのかみ)とともに闇龗神(くらおかみのかみ)が生まれたとされています。

 このWikipediaでもわかる通り「丑の刻」とは「午前1時から午前3時ごろ」と時間に幅があります。
 「時」を「十二支」で表す(「十二辰刻」という)ときは、「初刻」・「正刻」という概念を理解することが必要です。
Wikipedia「十二時辰」より
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 丑の刻の「正刻」は午前2時ですが、単に「丑の刻」というときは「正刻」の前後1時間(つまり2時間)の幅で表現しています。以下、季節によりやや変動する「不定時法」ではなく、季節で変動しない「定時法」に限って説明します。丑の刻の終わりは「寅の刻」の「初刻」です。24時を十二辰刻制で図示すると次のようになります。
時刻を十二支で表す
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 「十二辰刻」で表された事例として『日本書紀』の「筑紫白鳳大地震」の記事があります(筑紫白鳳に訂正しました)
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《天武天皇十三年(六八四)十月己卯朔》
壬辰〔14日〕、逮于人定、大地震。擧國男女叫唱、不知東西。則山崩河涌。諸國郡官舍、及百姓倉屋、寺塔神社、破壌之類、不可勝數。由是、人民及六畜、多死傷之。時伊豫湯泉、没而不出。土左國田菀五十餘萬頃没爲海。古老曰、若是地動、未曾有也。是夕、有鳴聲如鼓聞于東方。有人曰、伊豆嶋西北二面、自然増益、三百餘丈。更爲一嶋。則如鼓音者、神造是嶋響也。

〖読み下し文〗
壬辰〔14日〕に、人定(ゐのとき)に逮(いた)りて、大きに地震(ない)る。國擧(こぞ)りて男女叫び唱(よば)いて、不知東西(まど)ひぬ。則ち山崩れ河涌く。諸國の郡の官舍、及び百姓の倉屋、寺塔神社、破壌(やぶ)れし類、勝(あげ)て數(かぞ)ふべからず。是に由りて、人民及び六畜(むくさのけもの)、多に死傷(そこな)はる。時に伊豫湯泉、没(うも)れて出でず。土左國の田菀(たはたけ)五十餘萬頃(いそよろづしろあまり)没れて海となる。古老の曰はく、「是(かく)のごとく地動(なゐふ)る、未だ曾(むかし)より有ず」といふ。是の夕に、鳴る聲(おと)有りて鼓のごとく東の方に聞ゆ。人有りて曰はく、「伊豆嶋の西北、二面(ふたつのおもて)、自然(おのづから)に増益(ま)せること、三百餘丈(みももつゑあまり)。更(また)(ひとつ)の嶋と爲れり。則ち鼓の音のごとくあるは、神の是の嶋を造る響なり」といふ。
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 「人定(にんじょう/じんじょう/じんてい)」とは、「人が寝静まる時刻」のことですが、読み下し文は「(ゐのとき)」(亥の時)となっています。つまり「人定」は「21時~23時」のことで「正刻」でいえば「22時」ですが、この文からは「正刻」かどうか判明しませんから「22時頃」とでも理解しておけばよいでしょう。

 ちなみに、『日本書紀』には、大地震の記録が4件ありますが、具体的状況の記録があるのは、この天武十三年十月十四日人定(ゐのとき)の「白鳳大地震」と、この六年前の天武七年十二月是月条に「筑紫國大地動」とある「筑紫大地震」の二件だけです。

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《天武天皇四年(六七五)十一月是月》
是月、大地動。

《天武天皇七年(六七八)十二月》
是月、筑紫國大地動之。地裂廣二丈、長三千餘丈。百姓舍屋、毎村多仆壞。是時、百姓一家有岡上。當于地動夕、以岡崩處遷。然家既全、而無破壞。家人不知岡崩家避。但會明後、知以大驚焉。

《天武天皇十一年(六八二)八月》
癸酉〔12日〕、大地動。

2022年1月12日 (水)

方角を表す干支―脱線B-2―

方角を表す干支
―脱線 B-2[][京都橘高校グルーピー]
【訂正のお知らせ(2022/01/13)
 十二支を用いて表す方角を「16」と書いた誤りを「24」に訂正しました。【訂正のお知らせ 終わり】
【追加のお知らせ(2022/01/13)
京都橘高校吹奏楽部」が出場した「ローズパレード2018」の真上をB-2が実際に飛んでいる姿を撮影した
動画を追加しました。【追加のお知らせ 終わり】

 

 方角を表す仕方は、いくつかあります。代表的なのは次の三種類でしょう。

①「方位(東西南北)で表す。16に細分できる(4×2×2)。
例「南南東の風風力3」(気象情報など)
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② 「時計(時分秒←「角度」でもある、clock positionで表す制限なく表現できる(実用上制限がある)。進行方向(真正面)が12時で、背後(真後ろ)が6時です。航空機の場合は上下の位置関係も必要なので「上方(high)」「下方(low)」「同高度(same altitude)」「高度不明(altitude unknown)」などを付け加えます。
例「10時〔方向の〕上方(1O'Clock High)〔に敵機〕」(戦争映画などでは〔〕は暗黙の了解事項なので省略されるのが普通です。)
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③ 「十二支」で表す。24に細分できる(12×2)。
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北を子とし、東回りに名づけていきます。
子(北)と午(南)を結ぶ線を子午線と呼びます。
卯(東)と酉(西)を結ぶ線を卯酉(ぼうゆう)線と呼びます。
北東は丑と寅の間なので艮(うしとら)の方角、南東は辰と巳の間なので巽(たつみ)の方角、南西は未と申の間なので坤(ひつじさる)の方角、北西は戌と亥の間なので乾(いぬい)の方角と呼んだりします。
国立天文台 暦計算室 暦Wiki「十二支」より
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  今日では、一般に縁起を担ぐようなとき以外には方角を「十二支」では表現しませんが、船舶の世界では残っています。
「面舵(おもかじ)」は、「卯舵(うのかじ)」が「うむかじ」→「おもかじ」と訛って、漢字「面」が当てられたとあります(Wikipedia「面舵」による)。「卯」の方角は「進行方向右」(3時)です。「取舵(とりかじ)」はずばり「酉舵」で、「酉」の方角は「進行方向左」(9時)です。 

 航空機での方角を表すのに「上方」「下方」が出てきたので、航空機の制御(コントロール)方法について無駄な(役に立たない)情報を提供します。忙しい方は飛ばしてください。
 3次元空間なので航空機の制御は当然3軸(ピッチ、ロール、ヨー)の制御になります。

(1)上昇と下降(ピッチ)を制御する(機首を上げ下げする)のは操縦桿()を引き押しする。
 尾翼のある航空機の場合なら、水平尾翼にある昇降舵(エレベーター、elevator)が上(上昇)(下降)する。

(2)左右の傾き(ロール)を制御する(機体を左右に回転させる)のは、操縦桿なら操縦桿を左右に倒す。操縦輪なら(自動車と同じように)反時計回り(左に回転)・時計回り(右に回転)に回す。
 普通翼の航空機なら主翼の両端にある補助翼(エルロン、aileron)が上下反対に動き、機体がバンク(左が上右が下なら左側に回転、左が下右が上なら右側に回転)します。

(3)進む方角を制御する(ヨー)(機首を左右に向ける)のは、操縦席の足元左右にあるラダー・ペダル(rudder pedal)を踏む。
 垂直尾翼のある航空機なら、垂直尾翼にある方向舵(ラダー、rudder)が、右ペダルを踏めば右に動いて、左ペダルを踏めば左に動いて、機首が踏んだペダルの方角に向きます。

 これらは操縦者(パイロット、pilot)の複合操作(同時に複数を操作)によって、航空機は制御されているのです。自動車の運転などとは「次元が違う」のです(3次元です)。「ブルー・インパルスはスゲーッ」ということです(笑)。

 さて、全ての航空機に昇降舵(エレベーター、elevator)・補助翼(エルロン、aileron)・方向舵(ラダー、rudder)があるのかといえば、そうではありません。
翼平面形Wikipedia「翼平面形」より)
Wikipedia_20220112155201
 三角翼機(デルタ翼機④)には基本的に水平尾翼がありませんから、補助翼(英: aileron)と昇降舵(英: elevator)の役割を兼ね備えたエレボン(elevonと呼ばれる左右を同じ方向にも、反対の方向にも動かせる動翼を使ってピッチとロールを制御しています。エレボン(elevon) は昇降舵(英: elevator)と補助翼(英: aileron)とを組み合わせた造語。

 さらに、水平尾翼どころか垂直尾翼もない航空機があります(「全翼機」といいます)。ノースロップ・グラマン社が開発した、アメリカ空軍のステルス戦略爆撃機B-2 です。

 京都橘高校吹奏楽部が出場した2018年のローズパレードの冒頭、このB-2が真上を飛ぶ映像を次の動画でご覧いただけます。
京都橘高校 Kyoto Tachibana High School Green Band Rose Parade 2018「4k」

B-2Wikipedia「B-2」より)
Photo_20220112155401
B2wikipediab2
 垂直尾翼が無い機体では、飛行すら安定しません。制御はパイロットの操縦では無理なので、コンピュータによって安定した飛行をさせているのです。今のところ全翼機はB-2だけ(技術とコストが理由)のようです。

2022年1月 6日 (木)

なんちゃって俳句―季節外れの初雪―

なんちゃって俳句
季節外れの初雪[][なんちゃってシリーズ]
訂正のお知らせ(2022/01/06)】
 番号が間違っていました(③がダブり)ので付け直しました。【訂正のお知らせ終わり】

 今朝(202216日、10時頃)、ちょこっと雪が降ってきました。私の記憶では、寒くなって初めての降雪でした(記憶違いならごめんなさい)。降雪と言っても細かい雪が20分くらい降りましたが、道路に落ちるやいなや溶けてしまい、すぐ小雨になりました。東京では昨年末に雪が降ったようです。

 日頃、俳句などやってもいない私ですが、房州の温暖な気候(暖流「黒潮」による)を一句つくろうと試みました(良いものが出来るはずがないのは承知しています)。いくつか候補を挙げて検討しました。

 季語「初雪」の季節は「冬」となっています。正月(季節は春)と「初雪」(季節は冬)を対比してその矛盾で「温暖さ」を強調しようと企図しました。候補は次の8句です。 

① 新春に 積もらぬ雪や 外房州

② 初雪も 積もらぬ春や 外房州

③ 初雪や 新春に降る 外房州

④ 初雪の 新春に降る 外房州

⑤ 初雪が 新春に降る 外房州

⑥ 新春に 初雪の降る 外房州

⑦ 新春に 降る初雪や 外房州

⑧ 新春に 初雪降るや 外房州

 

 ①は、一番初めに直感的に浮かんだ句です。ただ、冬初めての雪ということが強調されていませんので、それを直したのが②です。また、1月6日は「松の内」(「新春」)なので、「新春」を強調しようとしたのが③です。

 ③のように「初雪や」とすると「初雪」が前面に出て(強調されて)、「房州の温暖な気候」がかすんでしまいます。それを直したのが④と⑤です。 

【格助詞「の」の文法的意味】
(1)「主格」(~が)を表す
(2)「連体修飾格」(〜の・〜での・〜のような)を表す
(3)「同格」(〜で・〜であって)を表す
(4)「体言の代用」(〜のもの・〜のこと)を表す
(5)「連用格」(〜のように)を表す

【格助詞「が」の文法的意味】
(1)「主格」(主語)を表す
(2)「対象」(~を)を表す

  しかし、表現したいことは、「初雪が降ったこと」ではなく「新春に(初めて雪が)降ったこと」(「房州の温暖な気候」)なのですから、やはり「新春」を頭に据えた方が良いとして直したのが⑥です。けれども、どれ(④⑤⑥)も叙述的で「観光案内パンフレット」の文言のように感じます。 

 そこで、もう一度間投助詞「や」を復活させて、「意外」を強調したものが⑦です。でも、もう一歩「驚き」を加えたのが⑧です。「外房」の住人である私にとって、このような現象は驚くことではないのですが、「房州の温暖な気候」を強調するために「新春に 初雪が降るのか」という驚きを加えました。

 というような過程(推敲というより試行錯誤)で、⑧を「採用句」としました(笑)。この句の「きも」は矛盾した季語(季節の違う季語)が入っているところです。

 新春に 初雪降るや 外房州

2021年12月 5日 (日)

「マグロの解体ショー」に遭遇―写真を撮らせていただきました―

「マグロの解体ショー」に遭遇
写真を撮らせていただきました[]

 今日、3階にある百均ショップで文房具を買うため、スーパーマーケットに入ったところ、カランカランと「手振りハンドベル」の音がして、「まもなくマグロの解体ショーを行いま~す」と1階にある水産会社の店員さんが呼び込みをしていました。そういえばそんな告知がされていたなと思い出しつつ買い物を済ませて1階におりたのですが、まだ集客が少ないのか始まっていませんでした。

 今までこういう機会はなかったので、デジカメを持ってスーパーに行ってみると、「これからマグロの解体ショーを行いま~す」との声で、まだ始まっていませんでした。最前線に行って「撮影してよろしいですか?」と店員さんに聞くと「どうぞ」と快諾してくれました。解体している店員さんの解説を交えて、手振れブレブレの写真ですがご覧ください。

 解体する店員さんが、お店に並ぶマグロ類を一通り説明してくれました。

これが“本マグロ”、通称クロマグロともいいます。

 ここを見逃す私ではない。「正式名称がクロマグロで、“本マグロ”というのはスーパーなどの店側が始めたもので“通称・俗称”ですらない。」と突っ込みを入れてあげた(性格直せよ)

 すると、右隣にいたおばさんが「なんで『クロマグロ』っていうの?」って聞いてきた。そこで私は周囲に聞こえないように小声でちょっと怪しい蘊蓄を垂れた。

種類を代表する魚は、『本(ほん)』ではなく『真(ま)』をつけて呼ぶでしょ。真鯖(マサバ)・真鰯(マイワシ)・真鯛(マダイ)・真鱈(マダラ)・真河豚(マフグ)・真鰈(マガレイ)・真沙魚(マハゼ)・真鯒(マゴチ)・真鯉(マゴイ)・・・・・」おばさんがちょっとうんざりした表情をみせたので「…真蛸(マダコ)、だから黒い魚の代表が真黒(マグロ)なんだけど、いつのまにか他のマグロ属の名の後ろに「マグロ」がつくようになってきたので、改めて「クロ()」を付けて区別して「クロマグロ」になったんですよ。」(おばさん「真蛸」に気づかなかったようだ)おばさんは「へぇ、そうなの」とは言ったが、質問したことを後悔した表情がありありと見えた。

 店員さんの解説は続いている。
キハダマグロ、肌が黄色なのではなく背鰭と尻鰭だけが黄色です。」うむ、間違ってない。
ミナミマグロ、インド洋で多くとれるのでインドマグロとも呼ばれます。」おい、絶滅危惧種ですくらい言ってやれよ。
メバチマグロ、バチ、バチマグロともいい、目がパッチリしているのでメバチといいます。」ほう、博識じゃないか。
ビンナガマグロ、ビンチョウマグロともいいます。シーチキンの原料として使われます。」うむ、備長(ビンナガ)を先に出すところは合格
な。「ペットフードの原料」も入れれば満点だったな。「マグロ味」ってあるのは「ビンナガ味」ってことだな。「シーチキン」って「ビンナガ」だったんだ(知らなかった) 

さて、解体する前にクイズです。このマグロは何キロぐらいあるでしょう」見物客から答えが続々と出る。私は「40Kg」とした。左隣にいた老夫婦の奥様の方(ほう)が「35Kg」と答えて「ニアピン賞」でマグロのサクをゲットした。

32Kgのクロマグロ
Kg
マグロは『三枚おろし』ではなく、ヒラメと同じ『五枚おろし』にします。上の「背身」「腹身」と「骨身」そして下の「背身」「腹身」の五枚です。」へぇー、ヒラメも『五枚おろし』なんだ。

まず、頭(カマ)を落とします。」部位を示しながら「鉢の身、目の周り、ほほ肉、鰓の外側にあるカマ・カマトロ、おいしい部位がいっぱいあります。お店ではめったにお目にかかることはありませんよ。

切り落とした「カマ」
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千円です。お買い上げのお客さまいませんか?」私の左隣にいた老夫婦がお買い上げ。

突き出ているのが「ヒレ(肉)」
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頭と尾を切り落とした状態を「ヘッドレス」(略して「ドレス」)、地中海の養殖マグロはこの状態で空輸されるそうだ。

切り落とされる「ヒレ(肉)」
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「ヒレ(肉)」と「身」の断面
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ヒレ、千円三百円です。お買い上げのお客さまいませんか?」複数客が手を挙げて、じゃんけんで左隣の老夫婦が再びゲット。

「カマ」と「ヒレ」を落とすとこんな状態
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これから「五枚おろし」にします。

上身の「背身」を切ってます
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切り取った「背身」を掲げて「この状態を『ロイン』といいます。」と店員さんが説明した。
後で調べたら「ロイン」というのは「左右に割り、背と腹に分け、4ツ割りの状態にしたもの」だそうだ。「ロイン」を輪切りにしたものが「ブロック」または「コロ」と呼ばれ、これを刺身用の幅に切ったものが「サク」です。

「背身」を落とした状態
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「背身」は「中トロ」と「赤身」です。江戸時代は、輸送手段や冷凍技術などの関係で、マグロは不味い「下魚(げざかな)」で、「ヅケ(醤油漬け)」にできる「赤身」しか食べられなかった。トロは捨てるか、畑のコヤシにしかならず「猫跨ぎ(ねこまたぎ)」とも言われたそうな。確かに、猫は嫌いなものは跨いで見向きもしません(流石です)。

「腹身」を切ってます
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「腹身」は「大トロ」「中トロ」「赤身」です。

上身の「背身」と「腹身」を落とした状態
Photo_20211205150202

「骨身」を落としています
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「骨身」から肉を削いだのが「中落ち」です。「骨身を削る」というのはここから出たと(嘘です)。

「骨身」です
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「中落」がとれます。

下身の「腹身」で終了
Photo_20211205150402

2021年11月28日 (日)

わが国のカレンダーに残る太陰太陽暦―日曜日の位置―

わが国のカレンダーに残る太陰太陽暦
日曜日の位置[][]

 わが国で現在用いられているカレンダー※1は太陽暦で、グレゴリオ暦※2という名称で分かる通り、キリスト教に由来します。
※1 日本では1872年(ほぼ明治5年に当たる)に採用され、明治5年12月2日(旧暦)の翌日を、明治6年1月1日(新暦)(グレゴリオ暦の1873年1月1日)とした。
※2 ローマ教皇グレゴリウス13世がユリウス暦の改良を命じ、1582年10月15日金曜日から行用されている暦法
※1,2ともWikipedia「グレゴリオ暦」より抜粋)

 西欧のカレンダーでは、日曜日は次のお話をもとにして7番目の曜日となっています。
※3 旧約聖書の『創世記』で啓典の神が天地創造の7日目に休息を取ったことに由来し、何も行ってはならないと定められた日とされている。Wikipedia「安息日」より抜粋)

【西欧のカレンダーの曜日の順序】
Monday(月)  Tuesday(火)  Wednesday(水)  Thursday(木)  Friday(金)  Saturday(土)  Sunday()
 他の曜日は別として、Monday()は月(Moon)Sunday()は太陽(Sun)なので、和訳が間違っているわけではありません。

 ところが、わが国のカレンダーでの曜日の順序は次の通り、日曜日から表示されています。
【わが国のカレンダーの曜日の順序】
日曜日 月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日 土曜日 
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 これは「日・月」の運行から「太陰太陽暦」を創った古代中国の造暦法の影響が残っているのです(当たり前ですが、地球への影響を反映していて、旧約聖書の『創世記』より“科学的”です()。)。

《参考》
【中国暦法での惑星の記述順序】

“古六暦”(黄帝暦・顓頊暦・夏暦・殷暦・周暦・魯暦)は五星の運行を取り入れていません。

『漢書』卷二十一下 「律曆志」第一下 五歩 では、五星は次の順序で記されています。
木、金、土、火、水

『後漢書』志第三 律曆下 曆法 では、五星は次の順序で記されています。
木、火、土、金、水

『晋書』巻十八 志第八 律暦下 推五星術 では、五星は次の順序で記されています。
木(歳星),火(熒惑星),土(填星/鎮星),金(太白星),水(辰星)

 木、火、土、金、水の順になるのは陰陽五行思想の「五行相生」※4の影響ようです。また、外惑星(木・火・土)を先に、内惑星(金・水)を後にしている、とも見えます。

※4「木は火を生じ、火は土を生じ、土は金を生じ、金は水を生じ、水は木を生ず」という関係を『五行相生』という。〔中略〕水は火に勝(剋)ち、火は金に勝ち、金は木に勝ち、木は土に勝ち、土は水に勝つ」という関係を『五行相剋』という。Wikipedia「陰陽五行思想」より抜粋)

 惑星の読み方は、次の通りです。

歳星(サイセイ)、太白(タイハク)、鎮星(チンセイ)、熒惑(ケイコク※5)、辰星(シンセイ)

※5 「惑」を「コク」と読むのは「漢音」(隋・唐などの北方民族の音)です。

 

 

 

2021年11月26日 (金)

天網恢恢疏而不漏―捨てる神あれば拾う神あり―

天網恢恢疏而不漏
捨てる神あれば拾う神あり[]

 「天網恢恢(かいかい)疎にして漏らさず」の出典は『魏書』、『老子』には「天網恢恢疏而不失」とあります。「天が張った網は、疎である(緻密でない)が、漏らさず(逃がさず)搦め捕る。」と言うのです。

 「捨てる神あれば拾う神あり」とは、古くは「捨(す)つる神あれば引き上(あ)ぐる神あり」と言ったそうで、「世の中には見捨てる人がいる一方、助けてくれる人もいる。」と言う意味で、「人」を「神」に喩えているのですが、今回の記事の副題は文字通り「神」です。

 何の話かと言うと、ブログ記事 交通事故に遭いました―法規を守っても―20211124())で、左車線から右折して店舗敷地に入る時に、歩道の手前で一時停止して安全確認をしている時、敷地内で歩道手前の停止線で止まっていた乗用車が、右折して道路に出ようと発進して衝突してきた交通事故に遭ったことを話題にしましたが、この事故では「交通安全の神」に捨てられたような感じがしていました。

 ところが今朝(2021112610時前後)、書斎替わりにさせてもらっているファスト・フード店の敷地(裏手駐車場側)に徒歩で入ったとき、「そこは一時停止ですよー」というラウドスピーカーからの声が聞こえました。振り返ると乗用車が駐車場に入って来るところで、その後ろにパトカーが居て「駐車場に止めて待っていてください。」と指示しています。「そこ」というのは、勿論あの歩道の手前」のことです。思わず「笑み」が零(こぼ)れた私でした(私の性格が悪いわけではありません)。「天網恢恢疎にして漏らさず」と言いながら店舗に入りました。

 リュックを座席に降ろした後で、コンデジを出すのが面倒なので、スマフォのカメラで店舗の駐車場を出て行くパトカーをドア越しに一枚撮影しました(ご苦労さま)。

 皆さん、歩道の手前は一時停止して歩行者(自転車の場合が危険)を守りましょう。
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対面建物は「イオン鴨川店」(物資搬入口)。
パトカーが出て行く所は、ドライブスルーの利用車両が多く入って来る駐車場側(裏側)入口(違反場所)。
正面入口は「外房黒潮ライン」128号線に面しています。

2021年11月24日 (水)

交通事故に遭いました―法規を守っても―

交通事故に遭いました
法規を守っても[]

 20211120日、カインズ鴨川店先路上で交通事故に遭いました。幸い右足甲(指のつけ根あたり)を打撲しただけで、特に外傷がありませんでしたので「物損事故」という扱いになりました。幸いなことに打撲した部分の痛みも軽減してきました(1124日時点)。保険会社からは治療を要するようであれば1週間以内に診療を受けてください(因果関係が不明確になるから)と言われましたが、その必要もなさそうです。

50_20211124150801
ブルーが私のバイク、赤が相手の乗用車、黄緑の帯が歩道です。
カインズに右折で入る車で渋滞しないように、ここは片側だけ二車線(右折車線が加わる)です。
なお、「導流帯」は進入禁止ではなく、むしろ右折車は入る方が推奨されます

 事故時の状況を説明すると、私(バイク)がカインズに入るために、カインズ入口前の歩道の手前で一時停止して左右の確認を行っているところへカインズから右折して出ていこうとした乗用車がバイクの横腹(中ほど)に衝突してきて、バイクは左に横転して、私は路上に投げ出されました。頭などは打っておらず、右足甲あたりが痛む程度で済みました。相手の運転手さんは「大丈夫ですか」と聞いてきましたが、私は「事故なので警察に連絡します」と告げ「110番」しました(事故発生から110番まで2分も経っていない)。

 近くの鴨川警察署から間もなく警官が来られて、通報時刻から事故発生時刻を確認し、免許証、自賠責保険や車検証などの確認と、事故状況を確認してから、怪我が無いようなので(私の申告です)「物損事故」として扱いますと告げられました。

 事故の原因は、「歩道の手前で一時停止して左右の安全確認を行う」(法規を遵守)する私側の行動を、「止まらずに通過するもの」と判断して発進させた側の「誤判断」によるものです。カインズの敷地側には歩道の手前に停止線が引かれていて、ほとんどの車は一時停止を行うのですが、車道側からカインズに入る車のほとんどが歩道手前の一時停止を行いません。それで、その相手の運転手も「車道側から入って来る車が、歩道手前で一時停止して(歩行者に対する)安全確認をする」という意識がなかったと思われます(乗用車側も停止線で一時停止を励行しているので違反・減点はなし)。事故後にカインズに入って来る車のほとんどが一時停止・安全確認を行わず、法規を無視しています。

 このような(法規を無視している)状況では、法規を守るとこのような事故に遭う可能性が高いのでしょうね。出る時でも入るときでも歩道手前で一時停止するのは、歩行者の安全を守る点では同じだと思うのですが・・・。

 まあ、ひとつの救いは、歩道手前で一時停止している(法規を守った上に、車は止まっている)ので、保険屋さんがいう「過失相殺」はなく、100%相手側の過失(当方に過失なし)となったことくらいでしょうか。

 わずかでも車が動いていると100%にはならないと聞いた事があります。歩道手前の一時停止・安全確認は必ず行って欲しいものです。

2021年11月21日 (日)

「再利用」は忘れたころにやってくる―稲荷山古墳出土「金象嵌武器」

「再利用」は忘れたころにやってくる
―稲荷山古墳出土「金象嵌武器」について―[]

 肥さんの夢ブログ稲荷山鉄剣象嵌の金純度 蛍光X線分析で二成分発見20211121())が載っていました。「だいぶ前に書いた文章なので,新ガリ本に収録し損ねました。」ということです。「だいぶ前に書いた文章」というのは、「古田史学会報150号」(2019年2月12日)に掲載された文章(「稲荷山鉄剣象嵌の金純度 蛍光X線分析で二成分発見」)のことです。

 この肥さんの論考について、私は 稲荷山古墳出土「金象嵌武器」について―二種類の金合金が使われている理由―で、これは「鉄剣」ではなく「鉄刀」(直刀)であり、合理的な理由で二成分が使い分けられていると論じました。

 肥さんが「新ガリ本に収録し損ね」てくれたお蔭で、「だいぶ前に書いた文章」の「再利用」ができました。銅剣か銅矛か―「八千剣の神」なのか―に続き、二つ目の「ブログ記事が再利用」できました。肥さん、ありがとうございます(笑)。

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