「マグロの解体ショー」に遭遇
―写真を撮らせていただきました―[雑]
今日、3階にある百均ショップで文房具を買うため、スーパーマーケットに入ったところ、カランカランと「手振りハンドベル」の音がして、「まもなくマグロの解体ショーを行いま~す」と1階にある水産会社の店員さんが呼び込みをしていました。そういえばそんな告知がされていたなと思い出しつつ買い物を済ませて1階におりたのですが、まだ集客が少ないのか始まっていませんでした。
今までこういう機会はなかったので、デジカメを持ってスーパーに行ってみると、「これからマグロの解体ショーを行いま~す」との声で、まだ始まっていませんでした。最前線に行って「撮影してよろしいですか?」と店員さんに聞くと「どうぞ」と快諾してくれました。解体している店員さんの解説を交えて、手振れブレブレの写真ですがご覧ください。
解体する店員さんが、お店に並ぶマグロ類を一通り説明してくれました。
「これが“本マグロ”、通称クロマグロともいいます。」
ここを見逃す私ではない。「正式名称がクロマグロで、“本マグロ”というのはスーパーなどの店側が始めたもので“通称・俗称”ですらない。」と突っ込みを入れてあげた(性格直せよ)。
すると、右隣にいたおばさんが「なんで『クロマグロ』っていうの?」って聞いてきた。そこで私は周囲に聞こえないように小声でちょっと怪しい蘊蓄を垂れた。
「種類を代表する魚は、『本(ほん)』ではなく『真(ま)』をつけて呼ぶでしょ。真鯖(マサバ)・真鰯(マイワシ)・真鯛(マダイ)・真鱈(マダラ)・真河豚(マフグ)・真鰈(マガレイ)・真沙魚(マハゼ)・真鯒(マゴチ)・真鯉(マゴイ)・・・・・」おばさんがちょっとうんざりした表情をみせたので「…真蛸(マダコ)、だから黒い魚の代表が真黒(マグロ)なんだけど、いつのまにか他のマグロ属の名の後ろに「マグロ」がつくようになってきたので、改めて「クロ(黒)」を付けて区別して「クロマグロ」になったんですよ。」(おばさん「真蛸」に気づかなかったようだ)おばさんは「へぇ、そうなの」とは言ったが、質問したことを後悔した表情がありありと見えた。
店員さんの解説は続いている。
「キハダマグロ、肌が黄色なのではなく背鰭と尻鰭だけが黄色です。」うむ、間違ってない。
「ミナミマグロ、インド洋で多くとれるのでインドマグロとも呼ばれます。」おい、絶滅危惧種ですくらい言ってやれよ。
「メバチマグロ、バチ、バチマグロともいい、目がパッチリしているのでメバチといいます。」ほう、博識じゃないか。
「ビンナガマグロ、ビンチョウマグロともいいます。シーチキンの原料として使われます。」うむ、備長(ビンナガ)を先に出すところは合格
な。「ペットフードの原料」も入れれば満点だったな。「マグロ味」ってあるのは「ビンナガ味」ってことだな。「シーチキン」って「ビンナガ」だったんだ(知らなかった)。
「さて、解体する前にクイズです。このマグロは何キロぐらいあるでしょう」見物客から答えが続々と出る。私は「40Kg」とした。左隣にいた老夫婦の奥様の方(ほう)が「35Kg」と答えて「ニアピン賞」でマグロのサクをゲットした。
32Kgのクロマグロ
「マグロは『三枚おろし』ではなく、ヒラメと同じ『五枚おろし』にします。上の「背身」「腹身」と「骨身」そして下の「背身」「腹身」の五枚です。」へぇー、ヒラメも『五枚おろし』なんだ。
「まず、頭(カマ)を落とします。」部位を示しながら「鉢の身、目の周り、ほほ肉、鰓の外側にあるカマ・カマトロ、おいしい部位がいっぱいあります。お店ではめったにお目にかかることはありませんよ。」
切り落とした「カマ」
「千円です。お買い上げのお客さまいませんか?」私の左隣にいた老夫婦がお買い上げ。
突き出ているのが「ヒレ(肉)」
頭と尾を切り落とした状態を「ヘッドレス」(略して「ドレス」)、地中海の養殖マグロはこの状態で空輸されるそうだ。
切り落とされる「ヒレ(肉)」
「ヒレ(肉)」と「身」の断面
「ヒレ、千円三百円です。お買い上げのお客さまいませんか?」複数客が手を挙げて、じゃんけんで左隣の老夫婦が再びゲット。
「カマ」と「ヒレ」を落とすとこんな状態
「これから「五枚おろし」にします。」
上身の「背身」を切ってます
切り取った「背身」を掲げて「この状態を『ロイン』といいます。」と店員さんが説明した。
後で調べたら「ロイン」というのは「左右に割り、背と腹に分け、4ツ割りの状態にしたもの」だそうだ。「ロイン」を輪切りにしたものが「ブロック」または「コロ」と呼ばれ、これを刺身用の幅に切ったものが「サク」です。
「背身」を落とした状態
「背身」は「中トロ」と「赤身」です。江戸時代は、輸送手段や冷凍技術などの関係で、マグロは不味い「下魚(げざかな)」で、「ヅケ(醤油漬け)」にできる「赤身」しか食べられなかった。トロは捨てるか、畑のコヤシにしかならず「猫跨ぎ(ねこまたぎ)」とも言われたそうな。確かに、猫は嫌いなものは跨いで見向きもしません(流石です)。
「腹身」を切ってます
「腹身」は「大トロ」「中トロ」「赤身」です。
上身の「背身」と「腹身」を落とした状態
「骨身」を落としています
「骨身」から肉を削いだのが「中落ち」です。「骨身を削る」というのはここから出たと(嘘です)。
「骨身」です
「中落」がとれます。
下身の「腹身」で終了
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