技術

2023年3月26日 (日)

ロータリーエンジンの復活―自動車の在り方―

ロータリーエンジンの復活
自動車の在り方[技術]

 世界で唯一実用化に成功したマツダのロータリーエンジンの技術が生かされる時代が到来しました。

マツダ、「MAZDA MX-30 e-SKYACTIV R-EV」を欧州で初公開
- ロータリーエンジンを発電機として使用する独自のプラグインハイブリッドモデル -

 今回搭載されたロータリーエンジンは、動力としてではなく発電用として開発されたものです。

 1ローターなので(走行用のものは2ローター)、軽量・コンパクトなロータリーエンジンがより軽量・コンパクトになっています。

 技術はいったん途絶えてしまうと復活させることが大変難しいものです。また、需要に応じて技術が生まれるというよりも、存在する技術をどのように生かすかということから新しい製品が生まれることが多いことを考えると、ロータリーエンジンの技術がこのような形で維持されることがきっと将来の為になると私は信じて疑いません。

YouTube動画
ロータリーエンジン飽くなき挑戦の歴史 Automobile Council / Automobile Council 2017: Mazda and the rotary engine

マツダの魂このままで終われない!ロータリーエンジン(日本語字幕あり) [RX-7 RX-8 RX-3 ルマン レンジエクステンダー MX-30]

 欧州が日本のハイブリッド技術に太刀打ちできないからという動機でEVシフトをごり押ししてきましたが、トヨタが言っていた通りの結果になってきたことは喜ばしいことです。買い物程度にしか使えないEVなど、「意識高い系」の金持ちが見せびらかすのにはよいでしょうが、今使っている自動車にとって代われる能力を持っているとは言えません

 今回公開された「MAZDA MX-30 e-SKYACTIV R-EV」は長距離ドライブにも不安が無く、普段使いにはEVとして使えるため、現在の自動車に代われる(別の代わらなくても問題はありませんが)優れものです。きっとこのロータリーエンジンは後続発売される車種にも搭載されることでしょう。たのしみです。

 おまけとして、EV関連用語をまとめて図解してみました。
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EV(電気自動車):搭載したバッテリーの電力を用いてモーターの動力だけで走る自動車です。当然ですがバッテリーを外部から充電する機能(プラグ・イン機能)を持っています。

HV(ハイブリッド車):内燃機関(エンジン)とモーターの二つから得られる動力を用いて走る自動車です(パラレル式)。一般的には、エンジンを主動力、モーターを副動力(発電も受け持つ)としていて、減速エネルギーを使ってバッテリーを充電する補助機能(回生ブレーキ)があるようです(外部から充電しない)。

PHV(プラグイン・ハイブリッド車)/ PHEV(プラグイン・ハイブリッド・EV):外部から充電する機能を付加した自動車です。動力にエンジンも用いるのならPHV、動力がモーターのみ(エンジンは発電専用)ならPHEV(シリーズ式)と呼んでいるようです。

バッテリーEVとして使える85kmの走行距離:欧州ではEVは85km以上走れないとEVとして認められないようです。

レンジ・エクステンダー:航続距離を延長するためにエンジンを付加したEVのことです。PHEV(モーター駆動のプラグイン・ハイブリッド車)との違いは、満充電したバッテリーのみでの走行距離と燃料を満タンにした発電専用エンジンのみでの走行距離とを比べて、どちらがより走行距離が長いかによる区別です(どちらが主かという呼び名でしかない)。MAZDA MX-30 e-SKYACTIV R-EVは50リッターの燃料タンクですから、当然エンジンで(発電して)走る距離の方が圧倒的に長いので「レンジ・エクステンダー」と呼ぶのは不適当でしょう。

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